
イラストはイメージです。
返済した分を、また借りる。そのために銀行へ説明し、資料をそろえ、次の融資を相談する。
仕事を増やしたいのに、頭の中はいつも資金繰りのこと。銀行対応に時間を取られ、お客様や現場に向き合う時間が足りなくなっていませんか。
今回は、借入23本・取引銀行8行となっていた中古車販売会社の事例です。年間の元金返済額は1億2,000万円。借入の組み方を見直した結果、5,000万円へ減り、社長は銀行対応から離れて営業に集中できるようになりました。
ただし、返済額が減った時点で、資金繰りの課題がすべて解消したわけではありません。約2年後の返済予定まで見通し、それまでの資金を管理することが、この支援の大切な部分でした。
借入23本。毎年1億2,000万円を借り直す状態に
この会社では、中古車を仕入れるための資金を長期借入で調達していました。借入本数は23本に増え、年間の元金返済額は1億2,000万円になっていました。
そして、毎年同額を借りなければ返済できないサイクルに入っていました。
事業を続けるための仕入れ資金が必要な一方で、既存の借入返済も続く。会社全体の資金の動きを見ずに一本ずつ借入を考えていると、「今回借りられるか」が判断の中心になりがちです。
ここで整理したいのは、次の融資だけではありません。会社が生み出す現金に対して、年間返済がどれだけあるか。今の借り方を続けたとき、手元のお金がどう動くかです。
銀行8行への個別交渉から、メイン行による取りまとめへ
取引銀行は8行ありました。一行ずつ交渉していても、会社全体の借入を見直す調整が進まない状況でした。
そこで、メイン行に相談し、シンジケートローンとして取りまとめてもらいました。
シンジケートローンは、幹事となる金融機関が複数の金融機関を取りまとめ、一つの契約に基づいて融資する仕組みです。契約期間中の元利金の受け渡しなどを担う金融機関も置かれます。三菱UFJ銀行の解説
この会社で重視したのは、23本の借入を一つずつ考える状態から、会社全体の資金需要と返済を見て調整することでした。なお、残した保証協会付き融資もあるため、すべての借入が一本になったという意味ではありません。
年間返済は7,000万円減少。ただし、まだFCFを上回っていた
見直し後の年間元金返済額は、1億2,000万円から5,000万円になりました。年間で7,000万円の軽減です。
一方、この会社のフリーキャッシュフロー(FCF)は年間3,000万円でした。FCFとは、ここでは営業で生み出した現金から設備投資などへの支出を差し引いた、借入元金の返済前の現金を指します。
| 比較項目 | 見直し前 | 見直し後 |
|---|---|---|
| 年間元金返済額 | 1億2,000万円 | 5,000万円 |
| 年間返済額の軽減 | ― | 7,000万円 |
年間返済5,000万円に対して、FCFは3,000万円。単純に比較すると、まだ年間2,000万円の差があります。
そのため、返済が減ったから安心、と判断することはできません。借入の金額や時期を管理し、手元資金とあわせて必要な支払いをまかなえるようにする必要があります。利息や手数料、月ごとの入出金も含めた確認が欠かせません。
また、7,000万円は元金返済額の減少分です。利益が7,000万円増えたわけでも、借入残高がその分なくなったわけでもありません。
約2年後には、年間返済が約2,000万円となる見込み
今回の見直しでは、保証協会付き融資を残しました。この融資は、見直し時点から約2年で完済する予定です。それに伴い、年間元金返済額は約2,000万円へ下がる想定でした。
| 時点 | 年間元金返済額 | 数字の位置づけ |
|---|---|---|
| 見直し前 | 1億2,000万円 | 見直し前の実績 |
| 見直し後 | 5,000万円 | 見直し後の実績 |
| 見直し時点から約2年後 | 約2,000万円 | 返済予定に基づく見込み |
FCFが年間3,000万円を維持でき、年間元金返済が予定どおり2,000万円になれば、この二つの差額はプラス1,000万円になります。新たな投資や借入などで条件が変わらなければ、返済後に現金を残す方向へ移れる見通しです。
大切なのは、「いつか返済が減る」と待つことではありません。そこへ至るまで、いつ、いくら資金が必要で、その資金をどう確保するかを具体的に管理することです。将来の借入が必ずできる前提で計画を組むのではなく、金融機関との調整と資金繰りの確認を続けます。
現在の返済額だけを見れば厳しくても、返済予定と現金の動きを並べれば、先に向けて何を整える必要があるかが見えてきます。
社長が銀行対応から離れ、営業に集中できるようになった
この支援で生まれた変化は、返済額だけではありません。社長は銀行対応を自分で抱える状態から離れ、営業に力を注げるようになりました。
資金繰りが気になって仕事に集中できない。銀行への説明に時間を取られる。そうした負担が、社長の力を本業へ向ける妨げになることがあります。
借入を整理し、返済と資金調達の見通しをつくる。その目的は、社長が安心して次の経営判断に取り組める状態をつくることです。
この会社で営業に集中できるようになったのは、今回の支援による変化です。シンジケートローンを組めば、どの会社でも銀行対応が不要になるということではありません。契約に応じた報告や管理は続きます。
「また借りれば何とかなる」を繰り返す前に
毎年、返済と同じくらいの借入を繰り返している。借入本数が増え、全体が分からなくなってきた。銀行への説明に追われ、本業に使う時間が減っている。
そんなときは、まず会社全体の借入と返済予定を整理するところから始めませんか。
Issue-Consultingでは、借入一覧と資金繰りをもとに、今の返済を続けた場合の手元資金、返済が変わる時期、見直すべき点を整理します。そのうえで、会社の状況に合う計画づくりと銀行交渉を支援します。
シンジケートローンは選択肢の一つです。利用には金融機関の審査や契約条件があり、金利のほかに組成・管理の手数料も考慮する必要があります。どの会社にも同じ方法を当てはめるのではなく、費用を含めて事業に合う借り方を考えます。三井住友銀行の商品説明
埼玉県入間市を拠点に、県内全域で訪問支援に対応しています。初回の無料相談は30分・オンラインです。
「この返済を続けて大丈夫だろうか」と感じている方は、今の状況をお聞かせください。きれいな計画書を用意してからでなくて構いません。
株式会社 Issue-Consulting