相談したいことと、その理由を整理します。説明に使う数字と、銀行に聞きたいことも用意します。
すぐに相談したい方へ:初回面談で、このテーマを相談する
お金のことを考えて、眠れない夜が続くケースです。

イラストはイメージです。
「返済のことを相談したい。でも、どう切り出せばいいか分からない」「追加の融資が必要だけれど、数字の説明に自信がない」。
銀行との面談が気になり、本業に集中しづらくなることはないでしょうか。
銀行との話し合いに備えるとき、最初から難しい財務用語を使う必要はありません。
まずは、何を相談したいのか、その理由は何か、何を確認して帰りたいのかを整理してみてください。
この記事では、面談前に準備しておきたいことを3つに分けて紹介します。
1.相談したいことを、一文にする
「資金繰りが心配です」だけでは、相談したい範囲が広くなります。
借入を増やしたいのか、毎月の返済負担を見直したいのか、設備投資の資金を相談したいのか。
今回の面談で話したいことを、一文にしてみましょう。
- 「仕入れの支払いが売上代金の入金より先になるため、その間の資金について相談したいです」
- 「毎月の返済後に手元資金があまり残らないため、今後の返済について相談したいです」
- 「設備の導入を考えており、必要な資金と返済計画について相談したいです」
説明用の例です。実際の資金使途や会社の状況に合わせて、ご自身の言葉に置き換えてください。
借入の相談であれば、「借入理由」「借りたい金額」「短期か長期か」をセットで整理します。
何に使うお金なのか、なぜその金額が必要なのか、どのくらいの期間で借りたいのか。
金額の内訳や資金繰りの見通しとつなげて説明できるようにします。
あわせて、「いつまでに必要か」も整理します。
支払予定日や設備の発注時期など、理由のある日付を確認しておくと、相談の進め方を話し合いやすくなります。
希望する条件がまだ決まっていなくても構いません。
「どのような選択肢があるかを確認したい」と、現時点での目的を伝える方法もあります。
2.説明の根拠になる数字をそろえる
話す内容が決まったら、その理由を説明するための資料を整理します。
当社が銀行への相談準備で基本にしている資料は、次の3つです。
過去3年の決算書、最近の売上や費用をまとめた試算表、これからの入金・支払いを並べた資金繰り表です。
事業計画書があれば、あわせて用意します。
日本政策金融公庫も、融資の手続きで資金の使いみちや事業計画などを確認すると案内しています。
民間金融機関を含め、必要資料や審査の進め方は相談先に確認してください。
- 決算書3期分:これまでの業績や財務状況を説明するために。
- 直近の試算表:前回の決算から現在までの状況を伝えるために。
- 資金繰り表:今後の入金・支払い・返済と、手元資金の見通しを示すために。
- 事業計画書(あれば尚よし):これからの事業の方向性や取り組み、その見通しを伝えるために。
- 借入理由:何のために資金が必要なのかを説明するために。
- 希望借入額:いくら借りたいのか、その金額が必要な理由と内訳を伝えるために。
- 希望する借入期間(短期/長期):どのくらいの期間で借りたいのか、資金の使いみちと返済の見通しを踏まえて相談するために。
上記は当社が相談準備の基本としている項目です。金融機関や申込内容によって必要資料は異なります。
決算を3期終えていない場合なども、用意できる資料を相談先へ確認してください。
すでに起きたことと、これからの予想は分けて伝えます。
まだ確定していない売上や入金を確定済みのように扱うと、前提が伝わりません。
「受注済み」「商談中」「計画上の目標」など、数字の確かさも説明できるようにします。
分からない数字をその場で埋める必要はありません。「確認して、いつまでに回答するか」を伝えられるようにしておきましょう。
会計の数字で不明な点は、顧問税理士と確認することも準備の一つです。
3.確認したいことを、メモしておく
面談では質問に答えることに意識が向き、「本当は聞きたかったこと」を聞けずに終わることがあります。
伝えることに加えて、銀行に確認したいことも書いて持っていきましょう。
- 今回の相談を検討するために、追加で必要な資料は何か。
- 会社の計画や数字について、どの点の説明が不足しているか。
- 次の回答や面談までに、誰が何を準備するか。
- 今後の手続きと、おおよその進め方はどうなるか。
面談の最後に、次の行動と期限を確認します。
「資料を提出する」で終わらず、資料の内容と提出日、その後の連絡方法まで整理すると、準備を進めやすくなります。
返済条件などを相談する場合は、希望を伝えるだけでなく、会社の事業や資金繰りが今後どう変わるのかも説明する。
そのための材料を用意しておくことが大切です。
借入を整理し、銀行との話し合いにつなげた事例
私が支援した自動車整備会社では、借り換えで返済を見直しました。
年間の元金返済額は、2,500万円から300万円になりました。
元金返済額とは、利息を除いた、借りたお金の返済額です。
最初に取り組んだのは、借入一覧と返済予定の整理です。
事業で生み出す現金と返済額を並べ、どの返済が資金繰りの負担になっているのかを確認しました。
そのうえで、事業の収益性、今後の計画、資金繰り、具体的な行動を銀行に伝わる形にまとめ、交渉に入りました。
この事例では、設備投資の長期借入を残し、運転資金の借り方を見直しています。
話し方だけで結果が変わった事例ではありません。
会社の実態と今後の計画を整理し、銀行が検討できる材料をそろえたことが、話し合いの土台になっています。
元金返済額の比較です。支援成果の一例であり、同様の結果を保証するものではありません。
借り換えの方法・条件は、会社の状況や金融機関の審査によって異なります。
次にできること
うまく説明できないときは、準備から相談する
銀行との話し合いに不安があっても、一人で抱えなくて構いません。
「交渉が苦手」で終わらせず、何の準備が足りないかを分けてみてください。
相談の目的がまとまっていないのか。数字を説明しづらいのか。銀行から求められた資料の作り方が分からないのか。
困っている場所が分かれば、次に取り組むことも整理できます。
次の銀行面談を、聞きたいことを聞き、会社の考えを伝えられる時間にする。その準備から始めましょう。