課題
お金の流れが見えず、
何度も足りなくなりかけた。
本店と支店を持つ、年商12億円の食品卸です。昔ながらの卸で、入金の4割は集金(現金での回収)でした。
売掛金の入金と集金の時期がばらばらで、口座にいくらあり、いくら出ていくのかがつかめません。何度も、お金が足りなくなりかけていました。そもそも、手元に置いておくお金も少ない状態でした。
| 項目 | 見直し前 | 見直し後 |
|---|---|---|
| 在庫 | 1億円 | 8,000万円 |
| 在庫から手元に戻ったお金 | — | 2,000万円 |
| 借入 | 増やしていない | |
| 支援の開始 | 2025年6月 | |
2,000万円は、在庫を減らしたことで手元に残ったお金です。利益が2,000万円増えたという意味ではありません。
取り組み
担当CFOが、
行ったこと。
- お金の流れを、週ごとに見えるようにする。本店と支店、それぞれの資金繰りと、2つを合わせた会社全体の資金繰りを、52週(1年分)の週ごとの資金繰り表で見えるようにしました。
- 借入を増やさず、在庫でお金を増やす。借入は増やしたくない。そこで、毎週の口座残高を確かめながら在庫を調整し、手元のお金を増やしていきました。
- 仕入れの決め方を、商品ごとに変える。お客さんがどれくらいの間隔で注文してくるかを見えるようにしました。そのうえで商品を売上の大きさで3つの組に分け、よく売れる商品は毎回決めた同じ量を、その次の商品は決まった日に足りない分を、あまり売れない商品は2つの箱の1つ目が空になったら仕入れる形に変えました。
- 集金までの期間を短くする。集金でお金を回収するまでの期間を短くしました。
結果
お金の流れを整えたら、
利益まで変わった。
在庫は約2割減り、1億円あった在庫が8,000万円で回るようになりました。在庫に寝かせなくてよくなった2,000万円は、手元に残ります。それ以上に大きかったのは、売れずに捨てる商品(廃棄)が減ったことです。仕入れで、お金が出ていかなくなりました。
入金を早めたことで、支払いの悪い取引先が離れていきました。回収の手間も減り、その分、支払いのよい新しい取引先を取り込めました。売上も利益も、よくなりました。
お金の流れを整えることから始めて、利益の出方まで変わった事例です。
「1つだけやればいいのが、ありがたい」
― 社長
在庫の減り方や回収の期間は、扱う商品や取引先によって変わります。同じ結果を保証するものではありません。会社名は伏せています。
この事例を担当したCFO
上野 貴司
代表取締役・中小企業診断士。事業会社での財務・経営管理15年、企業支援11年。
経歴と考え方を見る御社の状況を、こうしたところから確かめます。
- 口座にいくらあり、来週いくら出ていくのかが、すぐに言えない。
- 在庫が多い気がするが、どの商品をどれだけ減らせるか分からない。
- 入金の時期がばらばらで、支払いの前にいつも慌てる。
借りる前に、
在庫と入金を確かめる。
手元のお金は、借りなくても増やせることがあります。今の数字から一緒に確かめます。
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