課題
本当は、自社の機械を売りたい。
でも、開発のお金が出てこない。
年商約5億円の、金属加工の製造業です。自社で開発した産業用機械と、特許を取った自社商品があります。社長が本当に売りたいのは、自社の機械でした。
けれども、売上の多くは部品加工の仕事。研究開発に回すお金がなく、開発は進みません。特許商品も売れない。そこへ、銀行からの融資が止まりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 始めたこと | 利益と現金の毎月の確認・月次決算・自社の機械と取引先ごとの採算管理 |
| 使わない在庫 | 鉄くずとして売り、現金にかえた |
| 銀行 | 示された条件に沿って、毎月、損益計算書と資金繰り表で報告(進行中) |
| 支援の期間 | 2025年8月から(継続中) |
銀行との話は進行中です。融資の結果は、これから確かめます。
取り組み
担当CFOが、
行ったこと。
- 利益と現金を、分けて見えるようにする。利益が出ているかと、お金が増えたか減ったかを、別々に確かめられるようにしました。
- 毎月、確かめられる形にする。この会社は月次決算をしていませんでした。税理士と相談して月次決算を始め、利益と現金を毎月確かめられるようにしました。
- 何で、どれだけもうかっているかを分けて見る。自社開発の機械と、部品加工の取引先ごとに、採算を見られるようにしました。
- 数字から、会社を客観的に見る。思いや感覚ではなく、数字で会社の姿を一緒に見ました。
数字で見て、分かったこと
- 開発のお金が出てこない原因
- 在庫に、お金が消えていたこと
- 部品加工の仕事をやめると、会社が続かないこと
- 自社の機械は市場がせまく、売るのが難しいこと
結果
まず、会社と社員を守る
土台から。
数字で会社を見つめたとき、社長は「何をやってきたんだろう……」と涙を流しました。
そこから、社長が決めて動きました。
- 部品加工の仕事は続け、積極的に受注するようにした。
- 使わない在庫は鉄くずとして売り、現金にかえた。
- 自社の機械の開発は、いったん止めた。財務の土台を先に整えないと、会社が続かず、社員も困るからです。
- 銀行は、支援を続けるための条件を示してくれました。今は毎月、損益計算書と資金繰り表で報告しています。
支援は今も続いています。銀行との話は進行中です。会社名は伏せています。
この事例を担当したCFO
上野 貴司
事業会社での財務・経営管理15年、企業支援11年。中小企業診断士。
経歴と支援事例を見る御社の状況を、こうしたところから確かめます。
- やりたいことに回すお金が、なぜ残らないのか分からない。
- 月次決算をしておらず、会社の数字を見るのは年に一度。
- 在庫に、どれだけのお金が眠っているか分からない。