課題
売上はある。仕事もある。
それでも、手元に残らない。
銀行への返済が終わると、手元にお金が残らない。「来月の支払いは大丈夫だろうか」と考え始めると、仕事に集中できなくなる。追加で借りれば、ひとまず安心できるかもしれない。でも、その返済が増えたらどうなるのか。
まず確かめたのは、会社が生み出す現金と、返済の予定が合っているかでした。
| 比較項目 | 見直し前 | 見直し後 |
|---|---|---|
| 年間元金返済額 | 2,500万円 | 300万円 |
| 見直した借入 | 長期借入1億円 | 借り方を見直し |
| 残した長期借入 | 設備投資分 | |
元金返済額は、利息を除いた借りたお金の返済額です。年間で2,200万円減りましたが、借金が2,200万円減った、あるいは利益が増えたという意味ではありません。利息は別途発生します。
取り組み
担当CFOが、
最初に見たもの。
- 借入一覧をつくる。今後10年までの返済予定を、年間と月間の両方で見えるようにしました。どの月に、どの借入の返済が重なるのかを整理します。
- 「事業で残せるお金」と比べる。商売で入ったお金から、支払いや設備の購入代金を引いて、元金を返す前にいくら残るかを見ます。利益だけでは、返済後にお金が残るかは分かりません。
- 銀行が判断できる形にする。何を売り、どう利益を出しているか。これから3〜5年でどう進むか。計画を資金繰り表につなぎ、必要資金と返済の見通しを示しました。
設備投資分は、設備が将来生み出す現金と返済期間を対応させる考え方で、長期借入を残しました。
結果
返済への不安の時間を、
次の一手を考える時間へ。
見直しによって、毎年の決まった元金返済による現金流出を抑え、必要な支払いと事業に使うお金を考える余地が生まれました。
社長にとって大きいのは、単に返済額が下がることだけではありません。口座残高と支払いを見ながら、自分で資金の動きを判断できるようになることです。
借り換えの実行後も、3か月ごとに報告とその後の確認を行います。計画した行動が進んでいるか。利益と手元のお金は、考えていたとおりか。差が出ているなら、何を修正するかを確かめます。
最初は、CFOが何をしてくれる人なのか、よく分からなかった。それでも「頼んだほうがいい」と感じて、その場で契約を決めた社長でした。
会社の数字をすべて見えるようにし、それをもとに資金繰りを考えて、銀行と話し合う。その流れを一緒に進めたあと、社長はこう言いました。
「上野さんの使い方が、分かった」
― 社長
これからは、利益を増やす取り組みに進みます。
借入には契約条件があり、見直しには金融機関の審査があります。借入そのものがなくなるわけではなく、すべての会社で同じ見直しができるわけでもありません。相談会から借り換えまでの2か月は、この会社の実績です。会社名は伏せています。
上野 貴司
代表取締役・中小企業診断士。事業会社での財務・経営管理15年、企業支援11年。
経歴と考え方を見る御社の状況を、こうしたところから確かめます。
- 借入が何本・何行あり、いつまで返済が続くかを一覧で見ていない。
- 年間の元金返済が、事業で残せるお金を上回っていないかを確かめたことがない。
- 引き継いだ借入の条件を、自分の代になってから見直していない。
返済の見直しは、
選択肢のあるうちに。
資金が本当に足りなくなる前のほうが、選べる方法が多くあります。今の数字と、これからの見通しから一緒に確かめます。
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